居酒屋で隣の人に作ってもらった生搾りのチューハイがおいしくないのはなぜか
日経夕刊の囲み記事にこんな興味深いことが。
5月に発売された新チューハイ「-196℃」を手がけた、サントリーの和田龍夫さんは、
タイトルに挙げた微妙な差異に気付いていました。
逆に言うと、
「なぜ、自分で作ったチューハイは、他人が作った生搾りのチューハイよりおいしいのか」
ということです。
そして、和田さんは発見したんですね。
自分で果実を搾って作る際に、皮などからにじみだした香り成分が手に付着する。
その手で飲むから、気分がさっぱりしておいしく感じていたことを。
つまり、飲むときに手が口元に近づく、そのときにまず果実の香りを先に楽しんで
いたわけです。
そこで、「-196℃」では、果実を丸ごとセ氏マイナス196度の液体酸素で
瞬間凍結させ、微粉末にしてアルコールに漬けて、香りを酒に封じ込める。
この新製法により、果汁にアルコールと炭酸ガスを混ぜる従来の製法では
無理だった豊かな香り付けを可能にしたそうです。
日常の微妙な差異をまず発見すること、そしてその理由を探り出すこと。
今の商品開発に求められるのはこれなんでしょうね。
投稿者 松尾 順 : 2005年12月23日 15:36
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