2つの共感力
以前も書きましたが、相手の気持ちが的確に読める、
つまり、マインドリーディングができるための基礎力は
「共感する力」
です。
今日は、「共感力」とは何か、少し学術的に説明してみましょう。
実は、共感には2種類あります。
・情動的共感
・認知的共感
「情動的共感」とは、他人と同じ気持ち、感情が自動的に
作り上げられるものです。
楽しいことがあって喜んでいる人を見て、
自分も楽しい気分になる。
逆に、悲しんでいる姿を見て、自分も悲しくなる。
「同情」に近いものと言えるでしょう。
思わず(自動的に)、感情移入してしまうので
自然に同じ気持ちになる。
一方、「認知的共感」とは、他人の視点からものごとを
認知できるというものです。
つまり、相手の立場に自分が立った時、周囲をどう受け入れ、
理解し、どのような感情が生まれるか、を推測できる力です。
さて、よりよいコミュニケーションに役に立つ「共感力」を
発揮するためには、このどちらも必要なんですが、
「認知的共感力」は、しばしば失われてしまうことが多い
ようです。
例えば、傲慢な人。
生まれつき傲慢な人はいないと思いますが、
恵まれた環境で周囲を慮る必要がない人が、相手の立場に
立って見ることはとても難しい。
(そうすることの必要性をそもそも感じない)
あるいは、相手の立場がそもそもわからない人。
若いうちに偉くなって、送り迎えの車がつくようなレベルの
生活になると、庶民の立場がそもそもわかりません。
推測のしようがないわけです。
数日前に書いた「一所懸命、生活しましょう」というのは、
一般消費者を相手にする商売だったら、
絶対的に必要なことなのです。
マーケターは、共感力の中でも、特に「認知的共感力」を
高めるべきなんですよ。
投稿者 松尾 順 : 2005年12月22日 18:31
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