信頼と好意 Part2

「相手のハートをゲットする方法」の続きです。

「お客さんのハートをゲットする」と言うのは、
お客さんが自分の販売する商品を喜んで購入してくれる、
また繰り返し購入してくれるような、
「長期的な付き合いになる取引関係」を築くことでした。

そして、「長期的な付き合いになる取引関係」を築くための
2つのキーワードが、「信頼」と「好意」です。

前回は、信頼」を得る方法をご説明しました。
これは、一言で言えば「約束を守る」ことに尽きます。

では、相手の「好意」を得る方法です。
ポイントをキーワードで言えば次の4つ。

「外見」
「単純接触効果」
「親近効果」
「自己尊重感」

まず、「外見」
外見に気を配ることが、好意を得るために重要ってことです。

これは、言わずもがなのところありますが、

「中身さえよければ外見はあまり関係ない」

と気楽に考えている人が結構多いように感じます。

しかし現実には、人は、相手の外見だけで好き嫌いを
決めてしまう割合が高いんです。

好意、つまり好き(嫌い)という感情は、非合理的・直感的な
評価です。普通、美しいものを見ると心地よい感情が生まれ、
逆に、不潔なものを見ると不快な感情が出てきますよね。

もし、あなたに会いにきたセールスマンが不潔な格好を
していたとすると、無意識に不快な感情が湧き起こります。

すると、どんなに、その人が素晴らしい商品を売っていたり
弁舌さわやかだったとしても、まずうまくいかない。

頭では受け入れられても、心(感情)で受け入れられないと
いうことになるわけです。

もちろん、外見といっても、生まれつきのものは基本的に
どうしようもないわけですから、みだしなみや、姿勢、
ジェスチャー、表情の豊かさといったことに注意して、
相手に好印象を与える努力をするということになります。

このあたりのことは、社会心理学で「印象管理」と
呼ばれる領域で研究されてきたところです。

そうそう、実は生まれつきの外見のおかげで、
いい思いをしている人って実際いるんですよね。

例えば、アメリカの大統領選で勝利を収めた人のほとんどは
相手よりも背が高かったそうです。

また、童顔の人(実は私もそう)は、コドモっぽくみられるのが
いやで、ひげを生やしたりするわけなんですけど、実は、
コドモっぽくみえると、人は無意識に庇護意識が生じるのです。
特に女性はそうで、童顔の人は、赤ちゃんを連想させるので
いわゆる「母性本能」をくすぐるんですね。

以前、クリントン大統領が不倫スキャンダルを起こしたのに、
政治生命を絶たれるまでの大問題にならなかったのは、
彼が童顔だったからという説もあります。

こうした外見のことを見聞きすると、私はいつも小学生の頃に
読んだ一休さんの話を思い出します。

お金持ちの家に、みすぼらしい袈裟を着ていったら追い返され、
次に豪華な袈裟を着ていったら歓待された。
それで一休さんは、「あなたは衣装で相手を判断するのか」と
説教するという話です。

たしかに、中身の良し悪しをちゃんと評価できることが重要。

でも、中身をちゃんと評価してもらうために、まず中身を
くるんでいるパッケージ、つまり外見に気を配るというのは
やむを得ないことだと考えるべきでしょうね。

別の言い方をすると、たかが外見で相手に不快な思いをさせて、
好意を割り引かせてしまうのはのは、もったいないことだと
思いませんか。

長くなりましたので、残りのキーワードの説明は次回に。

投稿者 松尾 順 : 2005年11月28日 05:29

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