最も希少な資源

■希少な資源ほど価値が高い。

言うまでもないことですね。

例えば、ダイヤモンドや金などは、非常に限られた量しか産出
しないから、高額で取引されるわけです。
(ただし、ダイヤモンドについては世界的なカルテル機構が
 市場流通量を少なめになるようコントロールしているんですが)

しかし、一般の人にとって、ダイヤモンドは実用品ではなく
装飾品であり、装飾品に関心のない人はあまり価値を感じません。

ところが、誰にとっても、最も希少な資源といえるものが
あります。

それは「時間」です。

生まれてから死ぬまで、一人ひとりの人生はおよそ数万時間で
尽きてしまうことが、運命的には決まっているからです。
生まれたら、ただただ砂時計が落ちるように減っていくばかり
なのが、人生における「時間」なんですね。

いつ死ぬか、普通はわからないし、また考えたくもないので
時間は無限のように勘違いしてしまっているかも知れません。
若い頃は特にそうで、無為にだらだらと時間を過ごした時期も
ありましたよね。(笑)

しかし、人はだれでも本能的に、人生時間は有限であり、
時間が最も希少でかつ大切な資源であることをわかっている
と思います。

その典型的な人が「いらち」と言われるような短気な人です。
何事もすぐにやらないと気がすまない。あるいは、他人の
仕事が遅かったり、待たされると爆発するような人。

彼らは、

「私の時間を無駄に消費させるな」

という怒りを素直に表に出してしまう人なんですね。

また、売れ筋の商品やサービスの特徴として
常に上位に来るのは「利便性」ですが、
これはまさにお客さんの時間を節約してくれるからです。

特に現代は、いろいろとやりたいこと、やるべきことが
あふれているので、なおさら、自分の時間を無駄にしないですむ、
あるいは節約できる商品・サービスが求められているといえます。

逆に、時間が最も希少な資源であるなら、それをお客様のために
使うことが高い付加価値を生み出すことにもなります。

例えば、お客様への誠意を示す一番の方法は、人がお客さん
のところに出かけていくことです。お客さんはわざわざ、
時間を使って来てくれたことを喜ぶんですね。

最近、ある輸入車の販売ディーラーでは、営業マンが
既存客のところへ積極的に訪問するようにしたそうですが、

「オーナー様のために私の希少な時間を喜んで使います」

という姿勢を見せることがリピートや口コミにつながると
踏んでいるわけです。
(あからさまな売り込みのための訪問は違いますよ・・・)

もし実際に訪問できなければ、次善の策として手紙、
それも手書きのものがお客様を喜ばせます。

これもやはり、人が手で書くための時間をわざわざ
私のために使ってくれたということが感じられるからです。

私は常々感じているのですが、インターネットの会員制
サービスで、誕生日やお正月にグリーティングカードや
Eメールを送付するのは無意味だからやめた方がいいです。
(誕生月限定の割引とか、プレゼントがあるなら別ですが)

システムで機械的に処理され、送付されるグリーティングカード
には、自分のために誰かが時間を使ってくれた感がまったく
感じられないので、ありがたみゼロなんですよね。


そう思いませんか?

投稿者 松尾 順 : 2005年11月14日 12:41

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