自分がやりたいことをして何が悪い

「ディレクターズマガジン」という、WEBデザイナーや
コピーライターなどのクリエイター向けの専門誌があります。

私も同誌を購読しているのですが、オーストラリアで活躍する
デザイナーさんのエッセイ的な記事が最近掲載されてまして、
あちらでのマイペースな日常生活をうらやましいと思いながら
読んでいます。

さて、オーストラリアは南半球ですから、日本とは季節が反対、
こちらが夏の頃、あちらは冬ですね。

オーストラリアと聞くと温暖なイメージがありますが、
冬はあちらでもそれなりに寒く、コートが必要だそう。

ところが、真冬にTシャツ1枚で歩いている人がいたり、
自宅の屋外プール(温水じゃないですよ)で平気で泳いでいる人
を見かけるそうです。日本では考えられないですね。

この記事を読んで考えたのが、日本人なら「他人がどう思うか」
という意識が先に立つだろうということです。つまり、他人の
評価を気にするし、それが自分の行動を左右します。

「他人指向」が強い人が多いのが日本人のようです。

一方、いわゆる欧米人は、「内的指向」が強い人が多いと
言われてきました。他人の目はあまり気にしない。自分が
やりたいかどうかという意識で行動します。

自分がやりたいことをして何が悪い、というわけです。
「自分指向」と呼ぶと、もっとわかりやすいかも知れません。

これまでの話をまとめると、欧米人は、自分の価値観により忠実、
しかし日本は他人に影響されやすい、ということです。

さて、心理学者の和田秀樹さんは、

内的指向の強い人を「メランコ人間」
他人指向の強い人を「シゾフレ人間」

と呼んでいます。

メランコ人間は、明確なアイデンティティを持っており、
1955年以前に生まれた人が多い。

シゾフレ人間は、自分がなく、周囲に合わせる傾向が強い人で、
1965年以降に生まれた人が多い。

若い人のせつな的で、流行に影響されやすい消費行動を
見ていると、なるほど若年層はシゾフレ人間だということが
うなずけます。

ここで、気になるのはインターネットや携帯電話の影響です。
大量の情報が簡単に入手可能で、世界中の人と24時間いつでも
コミュニケーション可能なツールの進展は、明らかに他人指向
を強めることになります。

これからますます、自分のない、他人に影響を受けやすい
シゾフレ人間が増えていくことになるのでしょうか?

投稿者 松尾 順 : 2005年10月31日 12:15

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