Webサイトは自動販売機か?

インターネットが、もはや日常的なメディアへと成長を遂げ、
Webサイトが消費者との最も重要な接点のひとつと
言えるようになってきました。

なにしろ、24時間いつでも消費者とのコミュニケーションが
可能なのですから。
もちろん、Webサイトの情報(コンテンツ・機能)は
あらかじめ作りこまれた情報であって、ナマのコミュニケーション
ではありませんが。

さて、以前、インターネット広告の営業をする時、
こんなたとえ話をお客様にすることがありました。

「Webサイトは、砂漠の中にポツンと置かれた自動販売機です。
ただ自動販売機を置いておけば客がやってくるというわけでは
ないんです。
だから、インターネット広告を使ってWebサイトが置いてある位置を示し、
また誘導する必要があるんですよ」

最近は、Googleのような検索サービスの検索結果で、
上位に表示されることがとても重要になってきていますが、
上記の説明はいまだ有効だとは思います。

しかし、Webサイト=自動販売機というたとえは、
どうもあまり適切ではないと感じるようになってきました。
どちらも、24時間営業、お客さんの一定のニーズを
充足するモノ・サービス(情報)を提供しているという点では同じです。

しかし大きな違いが消費者の心理にあります。

それは、消費者は、自動販売機には「ひとの気配」を
期待しないが、Webサイトには「ひとの気配」を意識的・無意識的に
期待しているという点です。

ようするに、自動販売機は単なる機械、それ以上でもそれ以下でもない。

でも、Webサイトは最終的に人と人をつなぐメディアであるために、
単なる機械程度の対応しかできなければお客さんは
怒り出すということです。

だからこそ、Webサイトを立ち上げればOKというわけではなく、
問い合わせに対する迅速な対応ができるよう、
裏の仕組みも充実させておかなければならないのです。
また、サイトのデザインや使い勝手(ユーザビリティ)も、自動販売機
以上に「人」を感じさせることが必要になってきます。

これは当たり前のことのようで、まだまだ理解できていない人が
いらっしゃいます。

逆に、自動販売機には、人間らしくはなって欲しくないですよね。
人の声で「ありがとうございました」くらいまではいいですが、
開発が進められているらしい最新の自動販売機では、暑い夏には、
「暑いですね」といったり、夕方には「お仕事ご苦労様です、一本
おまけしときます」などと、状況に応じてカスタマイズされた声が
流れるようです。

やめてくださいよ、なんか気持ち悪いです。
そう思いませんか。

投稿者 松尾 順 : 2005年10月22日 08:47

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