プリンターインクを売る修道士
ご存知の方も多いと思いますが、ヨーロッパでは修道院でビールが製造されてますよね。
修道士たちが、キリスト教の修行の合間にビールの製造を行ってきたわけです。そして、ビールの収益で、修道院の運営費をまかなってきました。
ところが、最近は、ビールの代わりに、プリンターインクやトナー、コピー機、事務用品をディスカウント販売する修道院があります。しかもオンラインで。サイト名は「LaserMonks」、直訳すれば「レーザー修道士」。かなりヤバイ名称ですね。(^o^)
修道士たちは、毎日5時間のお祈りを捧げるため、実際の運営はアウトソーシングです。しかし、修道士は、カスタマーのために祈りを捧げているそうです。また、問い合わせ電話をかけて待つ時には、グレゴリオ聖歌が聞こえてきます。
このように、修道院のイメージや価値観を反映させたオンラインショップは年商250万ドルをあげ、修道院は毎月1万ドルのチャリティ基金を得ています。カスタマーの定着率はなんと「90%」ということなので、今後も安定した売上げが見込めます。
この話は、宣伝会議(10/15)の口コミマーケティングの事例として紹介されていました。レーザー修道士のサイトがこれだけ成長できたのは、社会貢献型のユニークな事業活動がUSAトゥディなどのマスコミに掲載されたことをきっかけに、口コミでユーザーが広がっていったからです。
確かに、インクやコピーを販売している修道士なんてすごく変わってます。思わず口コミしたくなります。しかも、レーザー修道士から買えば、宗教活動やチャリティに直接・間接的に貢献することができます。単にモノを消費するだけでなく、社会的な意義がある。カスタマーの高い定着率も当然でしょう。
さて、ひるがえって日本のお坊さんはどうでしょうか。
日本にはお寺が約7万5千もあります。郵便局の数の3倍です。各お寺は、一定数の檀家(=固定客)を抱え、檀家の葬儀のお布施などで収入を得ています。ところが、上述したように過当競争である上に、地方になると過疎化が進み、檀家の数が減っています。都会でも、逆にお寺とのつながりが弱い人が増えているので檀家の数は減るばかり。経営難により将来的にはお寺の大幅な減少が見込まれます。
だとすれば、お寺もレーザーモンクを見習うべきじゃないでしょうか。
物品販売ではないけれど、寺院内でコンサートを開催するところも出てきていますよね。従来の檀家制度に寄りかかったままでいるのではなく、知恵を絞っていろいろ新規事業を手がけたらどうなんでしょうね?
投稿者 松尾 順 : 2005年10月17日 11:03
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